少しずつ治療の効果が表れ始め、発病から半年位でようやく寝た切り状態を徐々に脱し、簡単な家事がぼちぼち出来るようになってきました。
といっても、少し動いては休み、ちょっと近所へ買物に出掛けては、帰宅後すぐにベッドに横になって休み、というような状態でした。
それでも、僅かなりとも良くなってきたという実感が感じられて、嬉しかったです。
毎日何の問題も無く過ごしていた日々がいかに素晴らしいものか、当たり前のことが当たり前に自分で出来ることがいかに幸せなことか、本当に身を持って感じる毎日でした。
たまたまそんな時、女子サッカーのワールドカップでなでしこJAPANが奇跡の初優勝を遂げる快挙が起きたのです!
夫婦共にサッカー好きな私達は、まさか日本が優勝するなんて夢にも思っておらず、熱狂して試合展開を見守り、なでしこの優勝に歓喜して抱きあいました♪
本当に不思議なんですが、私の体調もその日を境にみるみる調子が上がっていったのです。
信じられないような奇跡的で感動的な光景を目の当たりにして、自分の病気もきっと回復できる!・・・という気持ちが無意識の中で湧いて来たのかもしれません。
スポーツの力はすごいですね~。人間って精神が影響を受けると、体にもその影響が波及するのですね。心が動くと、体も動く。身を持って実感しました。
そう思うと私達人間は、何て簡単にメンタルに支配されている存在なんでしょうね。。。
発病から約1年たって、ほぼ家事は無理しなければ出来るようになり、この調子なら仕事を再開出来るかも知れないと期待し始めていました。
これからは薬の量を減らしていこうということになり、減薬が開始されたのですが、どうやらそのやり方を急ぎ過ぎたのが、悪かったようです。
せっかくここまで回復したのに、また体調が急激に悪化してしまいました。
通っていた心療内科は、元々内科メインのお医者様で、心療内科の看板は掲げていても専門医ではない様子だったので、良い先生ではあったけれどやり方に不信感を抱いてしまいました。
仕方なく自宅近辺で、精神科病院とも連携している心療内科・精神科専門のクリニックを探し、お医者様を変更することに決めました。
新しいクリニックを初めて受診した日は、体が苦しくて吐き気がして待合室に座っていられず、ベッドに休ませてもらいながらの診察になりました。
先生はベテラン精神科医といった風情の、中年男性でした。
今まで処方されていた薬は効いているようだし、今回は薬の急な減薬が悪かったようだから、元にもどしましょう。
様子を見て、減らす時には慎重に、徐々に減らしていきましょう。
そういう指示を受け、新しいクリニックへと通うことになりました。
うつ病の回復は一進一退。良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、段々と上向いていくんだよ、と言われましたが、私はようやくここまで回復して辿り着いたのに・・・と、泣きたいような気分でした。