双極性Ⅱ型障害とCFS~病気を抱えてぼちぼち生きる!

仕事・結婚・出産・子育てと仕事の両立・・・と走り続けていたら、40代になって急に動けない体になってしまいました。

思い描いた未来と現実

久々に気分の浮き沈みが激しい

ありがたいことに、秋から冬にかけては比較的安定した体調と精神状態で過ごせていた。

息子の大学卒業式にも出席出来た。入学式はコロナで中止だったから、感慨深かった。

 

息子を社会人として送り出すまでは、石にかじりついても生きて踏ん張らないといけない。ただただそれだけを胸に誓って必死に乗り越えて来た。

 

これでようやく大きな肩の荷が降ろせる。良く頑張った私。家族や友人の支えにも感謝。嬉し涙をこぼしながら幼かった息子の顔を思い出し、安堵していたはずだった。

 

だが、気が緩んだせいなのか、季節の変わり目のせいなのか、私の精神状態は急に不安定になりつつある。

更年期障害と思われる身体症状の悪化(手指の関節痛、急激な体重増加、自律神経失調、高血圧、代謝異常、息切れ、筋肉痛等)もじわじわと不安感不快感を煽り、神経を消耗させるのだろう。

 

愕然とした現在の自分の姿

息子の卒業式準備で、久しぶりにスーツを着用して全身が映る鏡の前に立った自分の姿を見た時、あまりにも自分の姿が歳をとり劣化している事に愕然としてしまった。

 

中年太りした冴えない顔のおばさんが、そこに立っていた。

いつもなら笑い話で済ますところだが、正直深く落ち込んだ。

10年前、20年前には颯爽とスーツを着て、バリバリ働いていた自分。名刺を持ち、責任ある仕事を任されていた自分。若さや体力は衰えても、溌剌とした姿は失っていなかったのに。

 

もうあの頃の自分には戻れないし、過去の自分は一度死んだ様なものだと分かっているつもりでいた。いたはずなのに、現実は想像以上に残酷だった。

 

私の夢は、活き活きと働く母になって、息子にいつまでも恰好いい母親だと思われる様な生き様を見せる事だった。おばあちゃんになっても、シャツとジーンズが似合う素敵な年齢の重ね形をする。そんな未来の自分を思い描いて、日々を頑張っていた。

 

そして今、その願いとは裏腹に、障害を抱えて働く事はおろか自分で行きたい場所に行く事も、やりたい事をやる事も、日常生活すらままならない自分が現実の姿としてそこにある。

 

自分は一体どこで何を間違えたのか?考えてもどうしようも無い思いが久々に噴き出し、我が身の情けなさに泣きたい気持ちになった。

 

息子の足枷だけにはなりたく無い

今の私の唯一の願いは、息子を自由に羽ばたかせてやる事だ。

 

社会に出れば、様々な困難も待ち受けているだろう。疲れたら休みに来たらいい。悩みがあれば聞くし、挫折しかけたら見守ってフォローはするが、後は彼が自分で経験して切り拓いていく未来だ。人生はまさにこれから。彼の若さが眩しくて羨ましい限りだ。

 

どうか私が落ちた人生の落とし穴に、はまる事がないように。

健康で無病息災でいてくれれば、それで良い。

出世したり有名人にならなくていい。幸せになってくれればそれだけでいい。偽らざる母としての心からの願いだ。

 

親の事など構わなくて良い。彼が遠く高く力強く羽ばたく為の翼を折る様な、重たく面倒な存在にだけはなりたくない。息子にだけは疎まれたくない。唯一無二の最愛の存在だから。

自分の父に、息子の足枷にはなるなと言われて大いに傷ついた。そんな事は言われずとも、私が一番心底から思っている事だ。

 

人生は自分の思い通りにはならない。

本人の努力に加えて、周囲の環境や時代に恵まれて自己実現し、素晴らしく充実した人生を送れる人もいる。人生万事塞翁が馬だが、健康でさえあれば、たとえ失敗しても方向転換してもやり直せる。だが健康な身体と精神だけは、失ってしまえばもう取り返しがつかないのだ。

 

どんなに仕事が大変でも、心身だけは一番大切にして欲しい。

 

これから始まる彼の人生の門出に、幸多かれと願う。

 

同じく4月から社会人となる全ての若者達にも、心からのエールを送りたい。

 

もうじき桜の季節が今年もやって来る。また一つ歳を重ねる春だ。

思い通りに動かない体でも、笑って過ごせる日々を愛しんで生きていきたい。